戸隠、飯綱。
毎年、年に数回は訪れている長野。人と人に相性があるように、人と土地にも相性があるように思う。どちらも生きているのだから、当たり前といえば当たり前かもしれない。
戸隠は初めての時から、他とは何かが違っていた。大地と呼吸が合う。空気と共振する。このような場所と出会えたことは本当に幸運だと感じる。
まだ足の怪我が完治していないため、奥社の参道をいつもの倍くらいの時間をかけて、ひとりゆっくりゆっくりと歩いた。それがまた、とてもよかった。おじいちゃんおばあちゃんに追い越されながら、山の音を聴く。なんとも豊かなひとときだった。
圧倒的な自然の中では人間の頭で考えることなどあまりにも小さい。都会でクヨクヨ悩んでしまうような時は、2、3日休みを取って、山でも海でも行ったほうがいい。裸足になって大地を蹴って思い切り遊べばいい。そこには、新しく知る何かというよりも、本来の自分を思い出せる何かがきっとある。「元気」とは「元」の「気」と書く。誰だって元は最高なのだ。