誰も同じ川に二度入ることはできない

タイトルは、万物流転を唱えた哲学者、ヘラクレイトスのことばから。

川の水は一定ではなく常に流れている。同じように見えても、昨日とは違う水が流れている。ほんの一瞬だけ前とも、もう違う。

自然界のものは、常に流れ、移ろい、変化を続けている。

大好きな景色がある。毎年、欠かさず訪れる場所がある。

空の色、雲の形、緑の色、風向き、匂い。いつも違う。いきいきと流れているものは美しい。

そして、そこに立つ自分もまた、以前とは違うはずだ。

日々を重ねるその中で、
前とは違う道を歩いたり、
前とは違う人に出会ったり、
前とは違う喜びや、悲しみがあったり。

髪や爪が伸びて切ってくり返すように、いつの間にか身体の細胞も入れ替わり、
食べたものや感じたことがここに繋がって、また変化していくのだろう。

何に対しても、知ってる、分かってる、当たり前と思えば、どうしてもぞんざいになってしまう。けれど本当の意味で言えば、誰も同じ川に二度入ることはできないし、誰も同じ人に二度会うことはできない。もし同じに見えるのだとしたら、それは対象のせいではなく、自分が過去を見ているだけなのかもしれない。

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夏の写真の第二弾です。圧倒的な大自然に包まれた、北海道は知床リトリート。『もしも熊に出合った時は』のレクチャーを受けてから、五湖の森へ入りました。