UTAU-BLOG 3

by YOSHIKI HORITA from iMAGINATIONS

帰国報告


旅の最後に訪れたヴリンダーヴァンの気温が40度近く。夜明け着の成田空港は予想以上に寒く感じたけれど、太陽が昇ってくると、青空の下は春のいい匂いがした。家へと向かうバスからは、たくさんの桜も見ることができた。町全体がワクワクしているように感じるのは、僕の目がそうさせただけではないのだろう。日本の春の景色。この色は、地球の宝物だと強く思った。

そういえば北海道に住んでいた子どもの頃、自分のふるさとが持っている美しさを、たぶんそんなに分かっていなかった。

離れることでしか見えないものは確かに存在する。毎年の旅では、インドの良さにも、そして日本の良さにも、いつも新鮮な角度からの発見がある。近づいたり、離れたり。そうした体験を重ねると、たとえ同じ場所にいても、同じものを見ても、心の視野が広がっていくことに気づく。

人も、場所も、この世のあらゆるものは、それぞれ多彩な色でできている。激しい人も、優しい川も、それはある一面に過ぎないということ。そして万物は流転する。変わらないものは何もない。だから同じ誰かにも、何かにも、何度だって新しく出会うことができる。ただ、自分がそれを感じようとさえすれば。

小さな箱の中では、小さな汚れも気になってしまうものだ。でも箱を開け放ち外に出れば、目に映る景色に果てはなく、もっと大きなものに心が向かうかもしれない。あれほど気になっていた汚れも、いずれ風と雨に流され忘れてしまうかもしれない。新しい瞬間に出会うことは、新しい自分と出会う体験でもある。これも僕が旅から教わっていることのひとつだと思う。

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約二ヶ月ぶりに日本へ帰ってまいりました。各地でお世話になった方々と、無事を祈ってくれていた方々へ、本当に感謝が尽きません。ここからは日本国内、そして5月のバリと、また新しい旅に向かいます。インドの振り返りも少しずつ書いていくつもりです。


堀田義樹、今後のスケジュールはこちら。