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UTAU-BLOG 3

by YOSHIKI HORITA from iMAGINATIONS

スタジオの話。


2016年、最初のレッスン日だった。

今のスタジオをホームにさせていただいてから、もう5年ほど経つのだろうか。隅田川に掛かる佃大橋のほど近く、銀座まで自転車で行ける距離だ。つまり大好きなデリーにもいつでも行ける。デリーはさておいて、ここへのご縁をくれた親友のカズくんにはいつも感謝している。このスタジオで、本当にたくさんの出会いがあって、今も続いている。言葉に尽くせないほどありがたいことだ。

その日最終のレッスンが終わった後は、自分の練習の時間になる。生徒さんたちの熱気、余韻が残るスタジオ。素晴らしい場だ。ここは自分にとって神域ともいえる。今日もいい練習ができた。


それにしても声は不思議である。そこそこ長く学びと実践を継続してきたつもりだが、やればやるほど不思議である。なぜ人は、というか僕は、こんなにも声に感動するのだろうか。目には見えない。触れられない。そのはずなのに、まるで見えるようでいて、触れられるようでもある。それはもちろん肉体ではなく、感じるという領域において。目に見える身体から発せられた声が、目には見えない魂を震わせる。当たり前のようでいて、ものすごいことである。

声とは、からだとこころをつなぐ橋のようなものなのか。


基本的に「声」というものが大好きなので、人の声を聴いては、よくしびれている。深いところまで届いたとき、思わず涙が出たりもする。でも、一番感動するのは、実は自分の声なのだ。重度のナルシストと思われるのは構わないが、そこに理由があることだけは述べておきたい。まず、声というのは振動である。呼気が声帯を震わせるとバイブレーションが生まれ、それが体の中の共鳴腔に広がり、声というエネルギーになる。この時、もっとも豊かな共鳴、つまり内側で鳴っている音をを聴けるのは、ただ自分だけ。(録音した自分の声が、慣れるまで変に感じるのは、この内側の音の成分を聴けないからである。)世界中の誰より美しい声は自分の中にあるのだと、全ての人にぜひ知ってもらいたい。そして、その響きがより美しく響くのは、自然な状態であることだと、僕は経験から確信している。メロディーを唄うのであっても、言葉を発するのであっても同じ。自然さは、正直さと言ってもいい。そういう声は理屈抜きに、圧倒的に美しい。きっと他の人の声を聴いてもそう思うはずだ。それが自分の声だったらなおのこと。正直な声は自分自身を感動させてくれる。感動は生きる力を与えてくれる。自然に、正直に声を出すことを続けていれば、声が良くなるのは当然で、人生だって良くなっていく。これもまた、僕が経験から確信していることだ。だからこそ、自分の声を愛してほしいと、ライブの時も、レッスンやワークショップでもいつも、しつこいくらいに伝えている。声を通して誰でも自分と対話できるのだ。いい響きで自分を感動させる毎日なんて最高だ。みんな、そうしておくれと思う。


さて、以前から考えていたのだが、スタジオの名称をリニューアルすることにした。正式には今年最初の新月、1月10日から、Morning Lights Voice Therapy(ボイスセラピー)と新しくなる。これまでは入り口としての分かりやすさを考えてVoice Trainingにしてきたが、ボイストレーニングという一般的なイメージと、自分の伝えていることとの間に違和感が増してきた。もちろんトレーニングの要素は含まれるが、表面的なテクニック習得のみには収まらない、本当の声を学ぶ場にしたい。ここへ来てくれる人が、自分の声を自分自身で視て、育てていける。そのお手伝いができればと思っている。

Morning Lights Voice Therapy


写真は佃大橋から見た隅田川。夕暮れが特にいい。時々、海の匂いもする。自然が大好きだけれど、都会にも都会の美しさがある。

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