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by YOSHIKI HORITA from iMAGINATIONS

6月 声のレッスン インテンシブコース 連続講座 オンライン特別編

地元札幌でボイスレッスンに通うようになったのは、16歳の時でした。最初は歌のレベルを上げたいだけだったんですが、ある時、プラクティスが声だけでなく、メンタルも整えてくれることに気づきます。特にデビューしてからの数年間は、慣れない目まぐるしさの中、ただ純粋に声と向き合える時間が心を潤す白湯のようでした。それから、フリーになる前にヨガや瞑想に出会って、呼吸と声の見え方にも、生き方にも、劇的な変化が訪れました。本当に面白くなったのは、そこからです。

音色、声色というように、音や声にも色があるのを感じます。レッスンやワークショップでは、そうした色を、整える、開く、といったイメージでガイドしています。一人一人が心に持っていることと、声が、同じ色だと、本当に「いい」んです。「いい」としか言えないんだけど、笑 それはたぶん本人にとっても、周りの人にとっても、世界にとっても、すごくいいことなんだと思うんです。

昨年『声のレッスン・インテンシブ(集中的)コース』として、さっちゃんこと今村幸子さん主催のもと、半年間の連続講座を行いました。僕が今日まで学び、実験、実践してきた内容を、人に伝えられるレベルまで覚えてもらおうというものでした。これだけの期間、同じメンバーでの講座は初めての試みでしたが、みなさんの熱心さと、それぞれの声の変化に感動しながら、半年はあっという間に過ぎて行きました。僕にとっても大きな学びの場となり、心から「やってよかった」と感じられるものでした。


前回、キャンセル待ちが出るほど、多くの人が興味を持ってくれたことは嬉しい驚きでした。そのため第二期は関東、関西を並行して行うことになり、準備も着々と進んでいたんですが〜〜〜コロナ〜!(西城秀樹「ローラ」のメロディで)

同じ場に集まる講座は延期となりましたが、関西で主催をしてくれるFIVE ELEMENTS代表、渡部愛さんとの話から、今回オンライン特別編として開催することになりました。6月27日(土)を皮切りに、三週間の中で、二時間 × 6回という短縮版にはなりますが、画面を通して伝えられる限界にチャレンジします。

ここに至るには、オンラインでの手応え(5月から週四回で行ってきたクラス、新月のKIRTANなど)が背中を押してくれたことを感じます。これまで参加してくれたみなさんにも感謝をお伝えしたいです。ありがとうございました!

同時録画のダウンロード、次回開催時の特典、第一期参加者の特典があります。詳しくは以下に。


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『声のレッスン インテンシブコース』オンライン特別編


●主なトピックス
・知っておきたい声の知識/声の基礎トレーニン
・声のための呼吸法/腹式呼吸の正しい理解
・呼吸と声をつなぐ/発声を支える筋肉のはたらき
・からだの共鳴ポイント/滑舌と強弱
・より高度な声の筋トレ/伝える声の核となるもの
* 進行状況により内容は変更される場合があります。

歌のために、人前で話すために、自信を持って声を出すために、声のコンプレックスとお別れするために、等々、どのような目的にも対応できるレッスンです。


●日時
全6回
※ できるだけ全日程通してご参加ください。
オリエンテーションとシェアリングはできれば全員で集まりましょう。
※ Zoomでの講座はすべて録画して参加者の皆さまにお渡ししますので、復習に役立てていただくことができます。

オリエンテーション 
 6/21(日) 18:00〜19:00
① 6/27(土) 9:00〜11:00
② 6/28(日) 9:00〜11:00
③ 7/4(土) 9:00〜11:00
④ 7/5(日) 14:00〜16:00
⑤ 7/11(土) 9:00〜11:00
⑥ 7/12(日) 9:00〜11:00
シェアリング 
 7/18(土) 9:00〜10:00


●場所 
Zoomを使ったオンライン開催
※ 次回『声のレッスン』インテンシブコースの会場は、京都トコ会館 /ヨガスタジオFIVE ELEMENTSです。


●受講料
40,000円(税込)  
クレジットカード(PayPal)利用の場合 手数料込み 41,536円(税込)
※ 事前振込制
※ 次回『声のレッスン』インテンシブコース開催時は今回との差額で受講可能、第一回インテンシブコース受講者は10,000(税込) で復習受講可能です。


●定員
10名+復習受講者


●ご予約・お問合せ
ヨガスタジオFIVE ELEMENTS ご予約のページより
●トコ会館 お知らせページ
Facebook イベントページ

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第一期の様子。

『ブックカバーチャレンジ』で紹介した7冊


先日Facebookで、我が友サトケンからブックカバーチャレンジなるものが回ってきた。Stay Homeのさなか、ときどき見かける「〇〇チャレンジ」のひとつのようだ。


 この企画は、“読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する”というものだそうです。

 ①本についての説明はナシで、表紙画像だけをアップする。

 ②その都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお誘いする。


こういうの、普段ならまず乗らないが、サトケンのリクエストであること、いろんな人に「好きな本は?」と聞かれる機会が少なくないこと、子供の頃から本(文章、言葉)に多くの気づきをもらっていて、それを紹介できるのは面白いかもと思ったこと、などの理由でやることにした。

結果、なんだかとても楽しめた。あっという間に終わってしまった、とさえ思った。好きな本は数えきれない。


七日間に渡り投稿したものを、ここにもまとめておきたい。タイトルをクリックすると詳細が見られるので、興味があればあなたもぜひ読んでみてほしい。

* 以下、太字は本文からの引用。


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一日目:
旅をする木/星野道夫 

「いつか、ある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって?」

「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いてみせるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」

「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって……その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」

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サトケンから回ってきたバトンを断るわけにはいくまい。真剣に選び始めると止まらないので、その日の朝に思いついた一冊を上げていこう。

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二日目:
イリュージョン/リチャード・バック 

昔、大きな川の底に村があった。遠くから見ると一本の水晶のように光るほど綺麗に澄んだ大きな川だった。その川に生き物の住む村があった。

川の水は全ての生き物の上を静かに、優しく撫でるように流れていた。全ての上を、平等に、若者、老人、金持ち、貧乏人、善良なるもの悪しきもの、全ての上を。

生き物は、川底の小枝や小石につかまって生きていた。しがみつく方法やつかまるものは様々だったが、流れに逆らうことが彼らの生活様式の根本だったわけだ。生まれた時からそうしてきたのだから。

しかし、生き物の中の一人が叫び出す日がきた。

「もうあきあきだ。こんなふうにしがみついているのは完全に飽きた。見たわけじゃないが、この川の流れは優しいし、どこへ出るのか教えてくれそうな気がする。連れてってほしいよ俺は、このままだと退屈で死んじゃうよ。あんたらそうは思わないか?」

他の生き物はそうは思わなかった。叫び出した奴を笑うのもいたくらいだ。

「お前はバカだな。手を離してどっかいってみな。お前の大好きなこの川の流れは、少しずつお前を弱らせて、最後に、岩に叩きつけて殺してしまうんだ。退屈で死ぬより確実だぜこれは」

しかし、彼はみんなの言うことなど聞きたくなかった。それくらい退屈していた。

それで大きく息を吸うと、パッと手を離してしまった。途端に流れに巻き込まれて岩に衝突した。

ところが、彼はそれでもその岩にしがみつくのをいやがったので、流れは彼のからだを再び揺り動かして川底からすくい上げ、それ以上傷を受けることはなかった。

下流へ来ると、彼を初めて見る生き物たちが興奮して叫んだ。

「おい、ちょっと見てみろ、あいつ飛んでるぞ。奇跡を起こしてる、あれはきっと救世主だ、俺たちを助けてくれる人だよきっと」

流れに乗ったものは彼らに向かって言ってやった。

「救世主なんかじゃない、あんたらと同じさ、思い切って手を離しさえすればいいんだ。流れはすくい上げてくれるよ、自由にしてくれる。手を離すんだ、それしかない」

それでもしがみついた岩から手を離すものはいなかった。さらに“救世主、救世主”と叫び続けた。

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ちと引用が長くなってしまった。この寓話が含まれた導入部にやられて、そのまま最後まで読んだ思い出は二十歳の頃か。

飛行機乗りでもある作者のバック。代表作『かもめのジョナサン』もいいけど、今日は『イリュージョン』を。現実だと思っている世界は、Illusion(幻影、幻想、幻)だという、インド哲学の“マーヤー”にも通じる視点を持った小説。1977年初版。


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三日目:
マイ仏教/みうらじゅん 

私は美大に入学するため、上京してから(中略)予備校に通っていました。そこでは、まず石膏像をデッサンすることから始めます。

その石膏像をデッサンするにあたって、先生は「これはブルータスに見えるかもしれないけど、ブルータスではない」と繰り返し、「形をそのように模しているだけのことで、仮にこれが割れたら、はたしてそれはブルータスと言えるのか?」と、まるで禅問答のようなことを一生懸命言っていたのです。

つまり、今見えている物は単なる面であり、光がこのように差し込んできて一時的にその面が構成されて見えているだけのこと。それを「ブルータス」と呼んでいるに過ぎないと。

形でものを見てはいけない、感じるんだ…。

先生はそう言いたかったのでしょう。

その意味がわからないまま私は、結局二浪してしまいました。

ある日のこと、浪人するたびに買っていた石膏像を自宅のアパートで倒してしまったとき……

「これだ!」

その瞬間にまた「諸行無常」をキャッチしました。

「われわれの認識するあらゆるものは、直接的、間接的なさまざまな原因が働くことによって、現在、たまたまそのように作り出され、現象しているに過ぎない」ーーー。

ブルータスの石膏像も、割れてしまえばただの石膏。先生が「これはブルータスじゃないんだ!」と力説していた理由が、そのときようやくわかり、翌年、美大に合格しました。

あのとき石膏像が割れていなかったら、私は目に見える形にとらわれたまま「ブルータスの似顔絵」ばかりを描いていたはずです。

形あるものは一時的な状態に過ぎなくて、それは即ち「ない」ことと一緒である。

デッサンの本質もまた「色即是空」だったのです。

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今日も、ちと引用が長くなってしまった。

“マイブーム”生みの親であるみうらじゅんさんにとって、子供の頃から一貫してブームであり続けているものが仏教だという。『見仏記』や『アウトドア般若心経』などの活動からもそれは垣間みえていたけれど、氏と仏教について、たぶん初めてきちんとまとめられた本。

僕が好きな著名人ランキングで、長年に渡り上位に君臨し続けているのが、みうらじゅんさん。単に「おもしろい人」というカテゴリーに収まらない特別な何かが、この本を読んだとき、少し腑に落ちた。えらい僧侶が説く、どこか浮世から離れたお話ではない、いわば浮世のど真ん中をいく人による仏教的生き方の手引き。

刊行は2011年5月、つまり東日本大震災の直後であったことにも触れておきたい。帯にある「人生は苦。諸行無常の世の中だけど……、そこがいいんじゃない!」をはじめ、おそらくは、本当に伝えたいであろう心の中が、おかしさの中に散りばめられている。ものすごく優しい人なんだと思う。大好きです。


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四日目:
地球/母なる星 THE HOME PLANET
宇宙飛行士が見た地球の荘厳と宇宙の神秘
 

「最初の一日か二日は、みんなが自分の国を指していた。三日め、四日めは、それぞれ自分の大陸を指していた。五日めには、私たちの念頭にはたったひとつの地球しかなかった」
スルタン・ビン・サルマン・アル=サウド(サウジアラビア

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アポロ11号が月面着陸した1969年に始まる、宇宙から撮影した地球の写真と、各国の宇宙飛行士たちの言葉が綴られた、大きなサイズの写真集。

見たことのない景色、それを見た人たちの言葉。そこには、想像力を果てなくかき立てる、未知の美しさがある。子どもの頃、おじさんが聞かせてくれた外国の話にワクワクするような感覚を、ページを開くたびに思い出す。

巻末の解説で、一枚の写真が僕の誕生日に撮られたものだと知った。この本が刊行された1988年の世界人口は50億人。ある一人にとって大切な日にも、死にたくなるような絶望の日でも、それほどの人たちがここで生きている。僕の見たことのあるすべての人と、見たことのある何もかもが、この球体の中に存在している。それは、意識の波が揺さぶられて、それからもう一度つながるような、不思議な感覚だった。

2019年のデータで、世界人口は77億人に増えている。今、宇宙から見た地球は何か変わっているだろうか。

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「暗く冷たい宇宙の真空のなかに浮かんでいる地球を見たとき、私の心の世界は大きく広がった。しかし考えてみれば、私の国の豊かな伝統のなかには、作られた境界線や偏見を超えてものを見よという教えがある。必ずしも宇宙に出なくとも、人は心を広くもつことはできるはずだ」
ラケシュ・シャルマ(インド)


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五日目:
わらの家/大岩剛一 

圧縮したわらをブロック状にして積み、土を塗りこんで壁にする。そうして建てられる家がストローベイル(straw bale)ハウス。東京国分寺のカフェスローや、横浜戸塚のゆっくり堂に行ったことがある人も多いと思う。あの、まるくて、不思議な壁がストローベイルだ。建築家、大岩剛一さんが設計されている。

この本は、わらの家を通して見る「自然とわたしたち」の関わりを、主に子どもたちへ向けて書かれたもの。八ヶ岳山梨県北杜市の森の中に建てられた『藁舎(ワラヤ)』の記録にもなっている。

僕が最初に藁舎を訪れたのは2017年の春。大岩さんの妹、くにこさんとのご縁からだった。家の中は、木造とも違う、もちろんコンクリとはまるで違う、森との境目がない、やわらかい空気が流れていた。ストローベイルは、断熱性・蓄熱性ともに優れ、一年を通して快適に過ごせるという。後から「ここを建てたのは、高齢の母がおだやかで豊かに過ごせるようにっていう、きょうだいの思いからだったの」と聞いた。そうか、なるほど、、と僕は感じていた。藁舎では、それから毎年の新緑の頃、くにこさんとイベントをさせてもらっている。

昨年のイベントの直前、大岩剛一さんが逝去されたと聞いた。

イベント当日は、ストローベイルハウスについて、藁舎について、お兄さんについて、ぜひくにこさんから皆さんへ話してほしいとリクエストした。そこで朗読してくれたのが『わらの家』だった。やさしい家の窓から、やさしい光の差し込む、忘れがたい一日だった。

今年も藁舎でのイベントを計画しているのだけれど、今の状況ではどうなるか分からない。でも、またすぐにあの場所で、みんなと集まれたらいいな。

そんな願いも胸に、多くの人に読んでほしい、知ってほしい一冊を。

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(あとがきより)

遠大な時間の中で蓄えられてきた豊かな知恵と技術、暮らしの思想を切り捨て、美しい山河を破壊して、戦後の日本は経済大国に名乗りを上げました。

わらの家をつくること、それは、建築家として家づくりに携わってきたこの30年間に、僕が失ってきた実に多くのものと、遅ればせながらつながり直す旅でもあるのです。

小さなもの、つつましいもの、失われたもの、ゆるやかに循環するものとつながり直すこと。

手間ひまかかる家づくりという古くて新しい物語を掲げ、住まいと私たちとの間にもう一度血の通った関係を築くこと。

これが、僕がこの本にこめた思いです。

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六日目:
セロ弾きのゴーシュ/宮沢賢治 

ブックカバーチャレンジが回ってきた時、何となく、賢治作品は外せないかなと頭に浮かんでいた。

言葉、リズム、ストーリーの不思議なゆらぎ。素朴なシーンにさえ広がる宇宙。こちらに届くというよりも、突き抜けていくような何か。子どもの頃、文字が立体に変わる体験を教えてくれたのが宮沢賢治だったと思う。

どれを選ぶか迷いつつ、一番初め、学校に上がる前に読んだ『セロ弾きのゴーシュ』を。入門編と言っていい、短くてやさしいお話だけれど、あらためて読むとやはり動かされるものがある。

小さな町楽団で一番の下手くそだったセロ(チェロ)弾きゴーシュが、家にやってくる様々な動物たちとの交流を経て、やがて拍手喝采を浴びるようになる物語。

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「鳥まで来るなんて、何の用だ。」ゴーシュが云いました。

「音楽を教わりたいのです。」

かっこう鳥はすまして云いました。

ゴーシュは笑って、
「音楽だと。お前の歌は、かっこう、かっこうというだけじゃあないか。」

するとかっこうが大へんまじめに、
「ええ、それなんです。けれども難しいですからねえ。」と云いました。

「むずかしいもんか。お前たちのはたくさん啼くのがひどいだけで、なきようは何でもないじゃないか。」

「ところがそれがひどいんです。たとえばかっこうかっこうとこうなくのと、かっこうかっこうとこうなくのとでは、聞いていてもよほどちがうでしょう。」

「ちがわないね」

「ではあなたにはわからないんです。わたしらのなかまなら、かっこうと一万云えば一万みんなちがうんです。」

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七日目:
おむすびの祈り/佐藤初女 

あるときに神父様から「あなたにとって祈りとは何ですか」と訊ねられ、とっさに「私の場合は生活です」と答えました。

私は、端から見ていると、めったに座って祈らないといわれています。でも、今ここに本当に食べられないでいる人、病んでいる人がいたときに、いくら手を合わせて祈っても、思いはその人にすぐには伝わりません。

手を合わせて祈るのは「静の祈り」、同じことを心に抱きながら、行動するのが「動の祈り」だと思います。私は、生きているこの瞬間瞬間が祈りだと思っています。だから、お茶を入れて,おいしく一緒に飲みましょうというのも祈り。私にとっては、生活全てが祈りです。

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僕が人生で影響を受けた女性といえば、母以外では、間違いなく初女さん。お米を研ぐとき、お米が痛くないように、野菜を切るとき、野菜が痛くないように。食べるとは、いのちをいただくこと…。「あなたにとって祈りとは」と問われたら、今の僕も同じようなことを答えるはずで、その種のひとつはいつか初女さんから受け取ったんだろうな、と。上に引用した言葉に、あらためて、はっとさせられたんです。

ブックカバーチャレンジ初日、『旅をする木』から、感動は自分が変わっていくことで伝えられるのではないか、という箇所を引いたけど、本当にそうでありたいなと思います。自分の手が、声が、言葉が、祈りでありますようにと願いつつ、七日間のチャレンジを終了するとします。誘ってくれたサトケン、招待したいと思わせてくれた友人たち、読んでくれたみなさん、ありがとうございました。楽しかった。

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ものの見方が変わったり、世界を広げてくれたり、想像力を刺激されたり、文字から色や匂いや情景を感じたり。本を読むのは子供の頃から大好きでした。大好きゆえ、真剣に選ぶと時間がかかることもわかっていて、毎朝本棚を眺めて、思いついた(目が合った)一冊をアップすることにしました。それでも、紹介した七冊は、どれも手にとってほしいものばかり。不思議なもので、今こういう時だから、というチョイスになったようにも思えます。好きという理由だけでなく、共有したい本たち。よかったら、読んだり、読み直したりしてみてね。
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堀田義樹のオンラインチャレンジ、五月から週四日で行なっているクラスはこちら。
 https://www.morning-lights.net/online 

新型コロナ拡大で様々な影響を受けている人も、心置きなく参加できるように、受講費はドネーション(寄付)制です。

真の学びとは実践の中に。オンライン発信の軸となるもの。

帰国してから目覚ましのアラームを聞いていない。夜明けが来れば勝手に目が覚めて、太陽と共に真新しい一日が始まる。

神奈川と山梨の県境。緑と水に恵まれた町へ移住して一年。とはいえ、ずっと旅ばかりの生活だったから、Stay Homeのこの状況で、やっと家との関係を育むことができている。そして、家の周りを包む豊かな自然も、そんな僕を受け入れてくれているように感じる。体も心も、すこぶる調子がいい。

ここへ越して来た時に、仕事部屋を『響庵(hibiki-an)』と名付けた。今、オンラインで行なっている全てが響庵からの発信だ。このような形で活かすことになるとは予想もしなかったけれど、移住も、帰国できたことも、ここから発信できていることも、本当に幸運な流れだったとつくづく思う。

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さて、今月から始めた週四回のオンラインクラスは、回を重ねながら、だんだんと形が整ってきた。軸となる信念を持って歩き始めたら、あとのことは神様にお任せ。来てくれるみんなと一緒に、これからも場が育まれる楽しみは続くだろう。

クラスで伝えたいことは画面を通じて伝えられていると思う。今日は軸の部分、「なぜ、これを?」について、順を追って共有したい。知っておいてもらえると、お互いに、この機会をより有意義なものにできる気がする。

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1:新型コロナウイルス拡大でスケジュールが白紙に。

それでも、当初はオンラインで何かやろうという考えはなかった。厳戒態勢のインドから帰国したばかりで、自分を整える時間が必要だったり、友達や、インドに残された人、各地で主催してくれていた一人一人とじっくり話したりの毎日。活動そのものより、もっと根源的な「どう生きるか」に意識が向かっていた。


2:4月12日の大阪、気持ちに変化が。

阪堺市で予定されていたキールタンも延期になったが、主催のAyaちゃんから「オンラインで集まりを作ったので、義樹さんもサプライズで登場してほしい」と誘われる。帰国後は二週間の自主隔離中。当日、みんなの顔と声に深く勇気付けられ、喜んでもらえたことで、心に眠っていた何かが目を覚ます。


3:マンツーマンレッスンをオンラインで。

渡印前からスケジュールしていた生徒さんたちと話し合い、レッスンをオンラインに変更、数日に渡り実験を重ねる。結果、画面を通してもレッスンが十分に機能する手応えを得る。対面時とは違う気づきもあり、この形を活かす方向へと心が向かい始める。


4:4月23日『新月のKIRTAN』の申し込み数が凄いことに。

毎月続けて八年目の『新月のKIRTAN』初のオンライン開催。北海道から九州まで、さらには海外からも申し込みがあり、zoomの設定人数100名をオーバー。

当日、これまでの旅で出会った様々な地域の人たちが、画面いっぱい並んでいることに超感動。「今まで東京には行けなかったけれど」と、オンライン開催を喜んでくれる人たちの多さにも超感激。笑顔、涙、安心、感謝、伝わってくるものの深さと、終了後に届いた心からのメッセージの数々に、今こそこのような場が必要なのだと確信。心が完全に目覚める。


5:今、自分が役立てることは何か?

旅の生活を何年も続けてきたけれど、まずは変化の波を受け入れる。過去への執着は誰のためにも、何のためにもならない。今を生きる。という前提。

自分が生きる上でのテーマ「共に喜び合える」「共に学び、成長し合える」は、形ではなく有機的なものであり、どのような時にも実践できる。

時間 = 命を注ぎ学んでいるものは、自分を生かし、育ててくれているもの。僕にとっては、瞑想、声、音、祈り、生き方としてのYoga、がその中心にある。そうした取り組みが今の僕を作り、人との出会い、つながりを作ってくれている。僕はそのことにとても感謝していて、それを分かち合うことは、僕に学びを与えてくれた先人たち、師匠たち、仲間たちへの恩返しだと思う。一人の人間(堀田義樹)を救ってくれた学びは、他の人にとっても役立つ可能性がある。
 
 
 「いつか、ある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって?」

 「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いてみせるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」

 「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって……その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」

 旅をする木星野道夫・著 より


6:全てドネーション(寄付制)というチャレンジ

新型コロナの影響で先が見えない、という声を耳にする中、共有したいのは技術や知識の提供だけでなく、安心や思いやりの心だと感じていた。

ドネーションの文化が根付いているインドでは、多くのアシュラムや寺院などが寄付によって運営されている。「お金は感謝のエネルギー」という言葉は日本でも聞くが、インドにいると確かに肌で感じることができる。裕福な人も、食うや食わずの人も、それぞれの感謝の心を形として捧げている。

これまでも日本で、ドネーションのイベント、ワークショップは何度か行なってきた。そこでは戸惑いの声も聞かれた。「いくらがいいですか?」と尋ねられることもあった。なかなか難しい。

それでも、今回はチャレンジしてみようと思った。お知らせ文にはこのように書いた。

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受講費:
ご自身で金額を決められるドネーション制です。

このオンラインクラスは、新型コロナウイルス拡大により様々な影響を受けている方も安心して学べる場となるように、願いを持って始めました。下限・上限ともに、こちらからの金額設定はありません。あなたの心が喜ぶ、愛と感謝の気持ちをお送りいただければ幸いです。
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「あなたの心が喜ぶ」という部分が、何より伝えたいことだった。キールタンと声と呼吸を学びながら、「お金」「価値」「循環」についても、心と対話しながら、一緒に学べるレッスンになると考えた。

すでに、参加してくれた人たちから、このような声が届いている。一部を紹介したい。

「自分で決めることって、こんなに大変なのか!という発見。私の中に、まだお金に対するブロックがあると気づかされました」

ドネーションを送った後、お買い物にも感謝の気持ちが湧いてきたんです」

「素晴らしい学びなのに今はこれしか払えない…と反射的に思ってしまっていました。でも、申し訳なさではなく、最大限の感謝を込めて、自分の心の喜びと向き合っています」

その全てが、ありがとうございます、と締めくくられている。僕の思いからの、いわば問いかけに、心で感じて答えてくれていることが嬉しい。これこそ双方向的な「つながり」だと思う。提案したのは僕だけれど、これはお互いにとってのチャレンジ、学びなのだから。


7:今、分かち合いたいものは何か?

これまで何を感じ、何を考え、どのように生きてきたかということが、コロナ禍というタイムライン上で、それぞれ輪郭を露わにしているように見える。多くの人を通して、当然のように自分のこともよく見えてくる。だから、今ここで浮かび上がってくる感覚、感情、その他、まだ言葉になりきらないものまで、怖れずに、できるだけ隅々まで味わってみたい。そして、そこから生まれてくるものを正直に分かち合いたい。

にも書いたように、僕が共有したいのは、技術や知識だけでなく、安心や思いやり。ネットを開けば、不安、攻撃、他者依存、思考停止など、時に落ち込みそうなエネルギーに触れることもある(実際、落ち込むこともある)。けれど、それを発信しているのも「僕ら」だということを忘れてはいけないと思う。例えばある暴言であっても、家族を守りたいという愛が不安を呼んでいるのかも、と想像することだってできる。違いを認めながら、赦しながら、寄り添いながら、自分が大切にしたいものを守る柔軟さと強さ。それが、僕が心地よくいられる「僕たち」の世界だと思う。

オンラインでも伝えている通り(というか、長年言い続けてる)、声は振動のエネルギーで、エネルギーということは、熱したり、冷やしたり、動かしたり、飛ばしたり、など、など、あらゆる運動と同じ質から生じる。愛を囁く声と、罵倒する声と、誰だってその違いは感じられるはずで、けれど、自分の声が何を生じさせているか、無自覚なまま生きている人も少なくない。そこに意識を向けることで、自分を思い出し、つながりを思い出し、そして育てていくというのが、僕が実践しながら伝えている学びだ。

まず、声(= 振動のエネルギー)の影響を最も近くで受けるのが、自分であるということ。あなたが声にした全ては、あなたの体の細胞の隅々と、あなたを包む空間が知ってるということ。これを伝える理由はシンプル。あなたの「ほんとうの声」を聴きたいし、それをあなたにも聴いてほしいから。世界に「ほんとうの声」の美しさを増やしたいから。

キールタンも、祈りの声の美しさを捧げるという思いを持って場を作っている。ずっと声の学びを続けてきた僕が、なぜキールタンに魅了され、救われ、日本で紹介しているのか。これを読んでくれた人には、きっと理解してもらえるのではないかと思う。

週四回、土日の午後と、平日の夜にスケジュールしたのも、どこかには参加できる環境を作りたかったから。全員にとっての完璧さは無理でも、可能な限り公平な環境にはできるはず。


8:まとめ

真の学びとは実践の中に。経典も、聖典も、暗記するために存在するのではない。生き方を支え、より良い方向に変化させてくれるものでなければ、それは単なる情報、文字の組み合わせに過ぎない。(受け取る側の態度)

もし、ブッダ、キリスト、八百万の神々、インドの神々が今、目の前に現れたとしよう。「君、ずっと机に向かってるね」なんて言われたら僕はとても恥ずかしい。それより「君、楽しく生きてるね!」と喜んでもらえるほうがいい。

・不安や怖れではなく、愛から始める。
・自分が役立てることを分かち合う。
・経済的理由で人を選ばない。
・実践。

今どのような状況にある人にも、必要だったら役立ててほしいと思い、オンラインクラスを開いている。これを書いている途中、同じ集落のおじさんが朝採れの野菜を届けに来てくれた。当たり前だが、僕も多くの人たちに支えられて生きている。受け取った愛と感謝を循環させることは、チャレンジであり、学びであり、喜びです。

 あなたがこの世で見たいと願う変化に、あなた自身がなりなさい。
 マハトマ・ガンディー

 もしあなたが金持ちなら、与えなさい。もし貧乏なら、やはり与えなさい。
 ビノーバ・バーべ

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ウィークリーオンラインクラスのページ:

ウィークリースケジュール:

日 14:00 - 15:10 キールタン
火 18:50 - 20:00 声と呼吸のレッスン
木 18:50 - 20:00 キールタン
土 14:00 - 15:10 声と呼吸のレッスン  

* この先の情勢により、いつまで続くかは未定。


Facebook イベントページ :

・二週目 5月10日〜16日

・三、四週目 5月17日〜 30日


その他のオンラインスケジュール:

・5月16日(土)10:00 - 12:30
『チャクラワーク & キールタン』with Masumi Lacoste

何もなければバリでリトリート中だった堀田義樹とMasumi、海を越えたコラボワークショップです。


・5月23日(土)16:00 - 17:30
新月のKIRTAN』
 毎月恒例の『新月のKIRTAN』は、先月に続いてのオンライン開催です。日本中、世界中からぜひどうぞ。

最新情報、スケジュールは Morning Lights Voice Therapy ホームページをご覧下さい。

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屋久島の仲間、Moss Ocean House 今ちゃんから届いたかわいい苔玉。体は離れていても、こうして心を向けてくれることが本当に励みになる。感謝。

5月3日から Weekly Lesson and Kirtan Online

Zoomを使用してのKirtan、レッスンなど、このごろ毎日のように行なっている。

始める前、オンラインはあくまでも対面の代替案として考えていたと思う。けれど実際にやってみると、そこには思いがけない気づきがあり、実に新鮮で刺激的な時間の連続だった。

何より、100名(Zoomの設定上限)を越える申し込みがあった『新月のKIRTAN』はじめ、それを必要としている人たちと、確かにつながれている実感が嬉しかった。

多くの人にとって、動きたくても動けない、会いたくても会えない今、心が触れ合う瞬間こそ最上の喜びだと思う。少なくとも僕にはそうだ。本当に、どれほど励みとなっているかわからない。

さらに、日本国内各地、海外からも参加してもらえるというのは(理屈として理解していたつもりだけれど)なんと凄いことなんだろう。もっと早くやっておけばよかったとさえ思う。今後に向けて大きな可能性を感じている。



どの過去とも比べることのできない日々。不思議な慌ただしさの中、気がつけば帰国から一ヶ月が経とうとしている。月も新しくなることだし、自然な流れで、新しいチャレンジがしたくなった。

5月3日(日)から、オンラインのキールタンとレッスンを、毎週同じ曜日と時間でやってみようと思う。参加費はドネーション(寄付制)、それぞれに直面している状況が異なる今、各自で決めてもらえるようにした。

今までと変わるものを嘆いても始まらない。いつだって、今から自分が役立てることを役立てていきたい。考えるのは動いた後で、柔軟に、軽やかに、進む一歩が少しでも答えに近づければいい。

ということで、日本中、世界中、どこからでも画面を通して会いに来てくださいね。

f:id:yoshiki_imaginations:20200502221124p:plain詳細・申し込みページ:
https://www.morning-lights.net/online

Facebook イベントページ:
オンラインスタートに向けた意気込み:

新月のKIRTAN 初のオンライン開催を終えて

4月23日。新月のKIRTAN、初のオンライン開催に集まってくれたみなさん、やさしい気持ちを向けてくれたみなさん、本当にありがとうございました。

Zoomの設定上限である100名を超える参加表明。申し込みフォームに添えてくれたメッセージの数々。始まる前から胸がもう満ち満ちでしたが、画面からひとりひとりの顔が見えた時には、溢れる気持ちと裏腹に言葉が出てきてくれませんでした。


帰国してから三週間、誰とも触れられていない中で、こうしてつながりを感じられたこと。定期開催スタートから八年目で、これだけたくさんの人が、新月のKIRTANを通してつながってくれたこと。いろいろな感情が、細かな粒子となって、飛沫のように混ざり合うのです。


画面の向こうには、喜びや、安心の表情が、いっぱいに広がっていました。いくつもの涙も見えました。新型コロナの影響が生活を変えていく中、みんなはどのような思いで毎日を過ごしているのだろう。それでも今、ここで、お互いがお互いの存在を近く感じながら、あたたかい瞬間を分かち合っている。

少し前まで普通に会えていた日常が、特別なことだったんだと気づく時。それは、今この瞬間も、実はどの瞬間も、特別な奇跡なんだと気づかせてくれる時でした。

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顔が見えて、声が聴けるって、最高! 


いつもの新月と同じく、会の最後には、誕生月の人を全員でお祝いと、マイボトルプレゼントじゃんけん(使い捨てプラスチック削減チャレンジ)を行ないました。100人のバースデーソング、100人の勝ち抜きじゃんけん、KIRTANの後も感動的だったな。嬉しい楽しいは電波を通しても伝わるものなんですね。


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KIRTANは神様に捧げる祈りの歌です。KIRTAN、YOGA、様々な祈りの行為が教えてくれることは、「個としての小さな自分」が独自に存在するのではなく、関係性、つながりの中で生かされているという視野、視座、視点だと思います。生きとし行けるすべてのもの、目には見えないすべてのもの、それらを含めた秩序、そのあらゆるすべて、いわば宇宙全体を僕は「神」と呼んでいて、インドの神々もその本質はひとつであり、祈りの対象として様々な姿として現れたと伝えられます。


マハトマ・ガンディーは「人は、必要な時に、必要な神と出会う」というような言葉を残しているのですが、広い国土に多様な習慣やイデオロギーが混在するインドにおいて、非常に深い意味のあるメッセージだったと思います。たとえば、別の容器に入った水と水の間に、優劣など存在するでしょうか。汚れを落としたい人にはそのように、喉が渇いた人にはそのように、体を温めたい人にはそのように、水は姿を変えて助けを与えてくれるだけです。自分の信じるものがどれほど大切だとしても、それが他者との分断を生んだり、攻撃の材料になっていると気づいたら、僕らはそこから学ばなくてはいけない。祈りとは、一度ここに立ち止まる態度でもあります。自分とつながる。すべてとつながる。その学びを一緒に深めて、育てていけるように、僕は場づくりをしています。その中のひとつが、月に一度、欠かさず行なっている『新月のKIRTAN』です。


状況を静かに正しく見つめながら、『新月のKIRTAN』は、ひとまずオンラインで続けるつもりです。来月は5月23日、土曜日ということで、集まりやすい午後に時間を作ろうと思っています。何もかも手探りだった今回より、さらに磨きをかけていきましょう(← 自分に言ってる)。また準備を整えて、できるだけ早くお知らせできるようにしますね。


オンライン開催に向けて、愛情深く会を支えてくれたスタッフ、里子ちゃん、妙子ちゃんと、サウンドチェックから付き合ってくれた響くんに、特別な感謝を送りたいです。参加してくれた全国(海外からも!)のみなさん、参加できなかったけれどメッセージをくれたみなさん、そして、2013年の立ち上げから今日まで『新月のKIRTAN』に関わってくれたすべての人に、心からの感謝を。あなたがこの瞬間を作ってくれたのです。


本当にありがとう!


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今月のオンラインスケジュール:

クリックすると詳細ページにジャンプします。

・4月26日(日)
『しあわせについて、豊かさについて、話をしよう』with ぬん​ 

・4月29日(水・祝日)

『Vocal Flow ワークショップ』 

​・4月29日(水・祝日)
『チャリティキールタン』with 今村幸子 

・4月30日(木)

『プライベートレッスン』 

・4月30日(木)
『キールタンの曲に親しむワークショップ』 

最新情報はこちら


スケジュール変更と、読み返した『夜と霧』のこと

帰国してから十日あまり。今月と来月に予定されていた各地の変更について、ほとんどの内容がまとまってきた。

止むをえず中止となった久高島リトリートの他は、延期、またはオンラインでの開催になる。今日時点での情報も載せつつ、順次更新しているので、詳しくはスタジオホームページをご覧いただきたい。


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・4月5日(日)東京 高尾 常福寺 * 延期
『高尾 1day リトリート』with 石井タカシ(シンギングボウル), 富岡和也(アーユルヴェーダ料理)


・4月8日(水)神戸 * 延期
『MOMOYO マジカルイニシエーションセミナー』ゲスト出演

・4月10日(金)神戸 元町 スペースわに * 延期
『しあわせについて、豊かさについて、話をしよう vol.6』with ぬん 

・4月10日(金)神戸 元町 スペースわに * 延期
『ちょっとえいご』わにえいご vol.32 with ぬん, ECO 

・4月11日(土)神戸 元町 スペースわに
 * 延期
『ヴォイスワーク & キールタン』 

・4月12日(日)大阪 堺 いとまんま * 延期
『キールタン会とインドの旅のお話会』 

・4月13日(月)芦屋 ディエステガーデン
 * オンラインに変更
『プライベートレッスン』 

・4月15日(水)埼玉 MITハウス * 延期
『〜2020 春の宴〜 光・音・呼吸』with KNOB(ディジュリドゥ), Chie(アワ歌)

・4月18日(土)〜20日(月)沖縄 久高島 * 開催中止
『女性性をひらく、高める、久高島リトリート』with 聡子ブランストン, 明美キャンベル 

・4月20日(月)沖縄 玉城 八角 * 延期
『音魂瞑想 × KIRTAN』with 小嶋さちほ 

・4月23日(木)東京 ito m studio * オンラインに変更
『新月のKIRTAN』 

・4月25日(土)東京  Morning Lights Voice Therapy * オンラインに変更 
『Kirtan Song & Harmonium Lesson キールタンのリードをしてみよう vol.43』
 

・4月26日(日)神奈川 Ananda Yoga Studio * 延期
『Kirtan Gathering』with 相良真紀

・4月29日(水・祝日)西宮 Biotope Yoga Studio * オンラインに変更
『Vocal Flow ワークショップ』
 

・4月29日(水・祝日)西宮 Biotope Yoga Studio * オンラインに変更
『チャリティキールタン』with 今村幸子 

・4月30日(木)西宮 Biotope Yoga Studio * オンラインに変更
『プライベートレッスン』

・4月30日(木)西宮 Biotope Yoga Studio * オンラインに変更
『キールタンの曲と親しむワークショップ』 

・5月2日(土)〜4日(月・祝日)滋賀 チャクラん堂ハウス * 延期
『3Days Kirtan リトリート』


・5月9日(土)名古屋 善光寺別院 願王寺 * 延期
『声と呼吸を開くワークショップ & 祈りの歌 キールタン』

・5月10日(日)名古屋 鶴舞公園 * 延期
『YOGA LIFE NAGOYA』

最新情報はスタジオホームページへ:
https://www.morning-lights.net/


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全国の友人たち、主催をしてくれる仲間たち、共に学ぶ生徒たちと連絡を取り合う中で、しみじみ沁みてくるのは、ひとりひとりとの関係とその深さだ。もう何年も、家にいる方が少ないような生活をしてきたが、こうして立ち止まる他ない機会を与えられ、もう一度みんなと、丁寧に出会い直している気がする。離れているぶんだけ近づいていく「きらきらとしたなにか」がお互いの間にあるのを観ている。

正直、インドでの後半から今日まで、涙のにじまない日はない。ご縁、つながりこそが人生最大の宝ものだと、今なら何の迷いもなく言える。イベントなどでは集まることは、ひとつの形であって、それ自体が目的なのではない。同じ時間を過ごしながら、お互いの人生を祝福したいのだ。「自分だけ」の喜びなんぞ、あまりにちっぽけというか、本当の意味では存在すらしない。少し考えてみれば分かる。すべての命は関係性の中でしか生まれないし、生きられない。だから、それを真に実感できた瞬間、僕たちはあらゆる感情を超えた真理とつながり、歓喜に包まれる。たとえ取るに足らなく見えるような一日にも、そんな喜びが、生きる意味を思い出させてくれる。

非常時ほど本質が表れると感じるのは、もちろん、ふだん関わりのある人だけではない。遠征がなくなり交通・宿泊もすべてキャンセルしなくてはならず、ほとんどはウェブサイトからの手続きになるのだけれど、直接のやりとりが必要な場合もあった。沖縄のある宿のオーナーさんは、「堀田様が落ち着いた生活を送られることをお祈りしております。」「情勢が回復しましたら、沖縄へお越しいただけることを願っています。」など、など、まるで旧い友人のように、目と目を合わせ、手と手を握っているかのような丁寧な対応と言葉で、会った事もない僕を気遣ってくれた。この状況下、宿泊施設が受けるダメージの大きさは想像に難くない。それを微塵も感じさせない温もりに、余裕で(?)泣けた。落ち着いたら必ず行こう。沖縄に、というか、もはや彼に会いに行こうという気持ちになっている。


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『夜と霧』をご存知の人も多いだろう。第二次世界大戦下、ナチス強制収容所に収容されたヴィクトール・E・フランクルが、限られた生存者として綴った壮絶な日々の記録だ。20世紀最大の名著のひとつである。

人間としての尊厳を強引に剥奪された極限状態。そこでの日常とは、陰惨な暴力(言葉の暴力も含まれる)と、目前にぶら下がる死への恐怖。そのような生き地獄の際にあっても、フランクルの眼差しが追っていたのは、人が(本作によれば、ひと握りの、かもしれないが)持つ、根源的な美しさだった。

ユーモアや芸術を分かち合う者、友人に贔屓するでなく誰の顔も見ず公平な量のスープをすくう厨房係の男、数日のうちに死を迎えることを悟りながら「運命に感謝しています。だって、わたしをこんなひどい目にあわせてくれたんですもの」「以前、なに不自由なく暮らしていたとき、わたしはすっかり甘やかされて、精神がどうこうなんて、まじめに考えたことがありませんでした」と話す若い女性、点呼場や居住棟のあいだで、通りすがりに思いやりのある言葉をかけ、飢えた自分よりもさらに飢えた人にパンを譲っていった人びと…。

揺さぶられるページは数え切れないが、何度読んでも心が「はああ、、」とさせられる箇所をひとつ引用したい。

わたしたちは、現実には生に終止符を打たれた人間だったのに、ーーあるいはだからこそーー何年ものあいだ目にできなかった美しい自然に魅了されたのだ。(略)

ある夕べ、わたしたちが労働で死ぬほど疲れて、スープの碗を手に、居住棟のむき出しの土の床にへたり込んでいたときに、突然、仲間がとびこんで、疲れていようが寒かろうが、とにかく点呼場に出てこい、と急きたてた。太陽が沈んでいくさまを見逃させまいという、ただそれだけのために。

そしてわたしたちは、暗く燃え上がる雲におおわれた西の空をながめ、地平線いっぱいに、黒鉄色から血のように輝く赤まで、この世のものとも思えない色合いでたえずさまざまに幻想的な形を変えていく雲をながめた。その下には、それとは対照的に、収容所の殺伐とした灰色の棟の群れとぬかるんだ点呼場が広がり、水たまりは燃えるような天空を映していた。

わたしたちは数分間、言葉もなく心を奪われていたが、誰かが言った。

「世界はどうしてこんなに美しいんだ!」


 もうひとつ、全体をつらぬく主題ともいえる一文を。

人は強制収容所に人間をぶちこんですべてを奪うことができるが、たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない。


インドでロックダウンが決まった時、帰国したら読み返したいと思っていた中の一冊が『夜と霧』だった。出版から70年以上にわたり世界中で読み継がれている理由は、決してひとことで表せるものではない。ただ、命の言葉は種子のように、国境も時代も飛び越えて、人びとの心に根を伸ばし、育っていくものなのだろう。上に紹介した一文に、なにも感じない人がいるとは、僕には思えない。どのような状況にあっても、自由であること、優しくあること、美しくあることは、自らの選択によって可能なんだろうか。この本に書かれているのは答えではない。決して終わることのない問いかけだと思う。

まったく大げさでなく、先が見えない今だけど、フランクルは僕たちに語りかける。「それでも人生にイエスと言おう」と。

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夜と霧/ヴィクトール・E・フランクル (著)

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【 共有 】インドからの帰国臨時便:ベンガルール、ムンバイ、チェンナイ

ロックダウンが続いているインドだが、3月末から4月頭にかけて、デリーから日本への臨時運航便が実現。先日も書いたように、僕が帰国できたのもそのおかげだった。尽力して下さった方々への感謝は、この先も決して忘れることがないだろう。

首都デリーに続いて、ベンガルール、ムンバイ、チェンナイからも臨時便の発表があったのでシェアしたい。インドでこの情報に触れてくれる人が、ほんの少しでも増えてくれることを願って。

デリーの時と同様、すぐに予約が埋まることが予想されるが、もし満席であっても、希望する人は今すぐキャンセル待ちにエントリーしてほしい。僕も、友人たちも、かなりの数がキャンセル待ちによって搭乗できた。電話がつながりにくくても、まわりの人たちにも協力してもらって、鳴らし続けてみてほしい。

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ベンガルール → 成田 】

4月12日 19:00 発
4月13日 19:00 発
4月14日 19:00 発 ← 追加!

日本航空 問い合わせ先:
・日本語
1800-103-6455
+81-6-7633-4129(国際電話有料)
営業時間5:30~15:30〔年中無休〕
・英語
1800-102-4135
営業時間5:30~15:30〔年中無休〕

外務省 海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=86092 

ベンガルール日本国総領事館
電話 080-4064-9999
メール cgjblr@ig.mofa.go.jp

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【 ムンバイ → 成田 】

4月11日 19:40 発
4月13日 19:40 発
4月15日 19:40 発

予約方法、運賃等 URL:
https://www.mumbai.in.emb-japan.go.jp/files/100042145.pdf 
ページ内に予約可能な旅行代理店の連絡先も記載

外務省 海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=86209 

在ムンバイ日本国総領事館・領事班:
電話 +91-22-2351-7101
メール ryoji@by.mofa.go.jp

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【 チェンナイ → 成田 】

4月10日 20:30 発
4月12日 20:30 発
4月14日 20:30 発

予約方法、運賃等 URL:
https://www.chennai.in.emb-japan.go.jp/files/100042141.pdf 
ページ内に予約可能な旅行代理店の連絡先も記載

外務省 海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=86210 

在チェンナイ日本国総領事館
電話 +91-44-2432-3860~3
メール(領事業務関連)consularcgj@ms.mofa.go.jp
メール(上記以外)cgjpchen@ms.mofa.go.jp

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ひとりでも多くの希望者が帰国できますように。

そして、インドへ残ることを選択した人の健康と心の平安を祈っています。

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